5Gとは?5G Networkの特徴、4Gとの違い(仮想化、クラウドネイティブ化編)

Cloud image (real cloud) 5G Tech

5Gとは何?この記事では5GのNetworkは4GのNetworkとどのように変わるのかを説明します。

5Gでは、Networkの装置に汎用的な装置とSoftwareが使われるようになります。それに伴い、Networkの仮想化(HardwareとSoftwareを別々に扱う)Cloud化(Could-Native化)が進められています。5G Networkの仮想化やCloud化について説明します。

仮想化(Virtualization)とは?

4Gや3Gのネットワークは専用の装置と、その専用の装置上で動作する専用のソフトウェアで構成されています。5Gでは汎用的な装置(Hardware)が利用され、共通のソフトウェア基盤が利用されるようになります。そうなる事でネットワークは装置(Hardware)とソフトウェアを切り離し別々に扱う仮想化が進みます。

仮想サーバーや仮想コンピューターが普及しているのと同じように、5Gでは仮想的なネットワークを構成する事ができるようになります。5Gの普及と進化が進む中で、Cloud分野で使われている開発方法や、技術が5GのTelecom分野でも使われています。それに伴いNetworkのクラウド化が進んでいます。

Networkの仮想化 : PNF (Physical Network Function)からVNF (Virtual Network Function)

専用の物理装置上に個別のNetwork機能を実装するPNF (Physical Network Function)から、汎用の物理サーバー上に仮想化されたNetwork機能を実装するVNF (Virtual Network Function)への移行が進んでいます。VNF(Virtual Network Function)は、NFV(Network Function Virtualization)による仮想ネットワーク機能です。

Fig, NFV Reference Architecture - ETSI
Fig, NFV Reference Architecture – ETSI

VNFへに移行が進む事によりNetwork装置(Hardware)の調達時間など短縮化する事ができました。一方、同時にVNFの運用が煩雑化するという問題も発生しています。

NetworkのCloud-Native化 : VNF(Virtual Network Function)からCNF(Cloud-Native Network Function)

CNFとは?

VNF (Virtual Network Function)から、クラウド環境上にクラウドネイティブ化されたNetwork機能を実装するCNF(Cloud-Native Network Function)への移行が進んでいます。5GではCNF化が進む事になります。CNFは、オープンソースのコンテナオーケストレーションシステム「Kubernetes (K8s)上で動作するネットワーク機能です。Kubernetesは、コンテナ化したアプリケーションのデプロイ、スケーリング、および管理を行うためのシステムです。Googleが設計したシステムで、現在はCloud Native Computing Foundation (CNCF)がメンテナンスを行っています。

CNFはコンテナ化により仮想化されたNetwork環境です。従来の仮想化のVM(Virtual Machine)とは異なり、コンテナ環境の仮想化は、開発の効率化の面で様々なメリットがあります。コンテナ環境は「開発・作成した環境を配布しやすい」、「スクラップ&ビルドが容易」などの特徴があり、開発面からイノベーションが加速されています。コンテナ仮想化には、オープンソースプラットフォームであるDockerが広く利用されています。

Fig, Container platform Fig, Container platform
Fig, Container platform

サービスメッシュ・マイクロサービス(Service-mesh and Micro-service)などのクラウドネイティブ技術の適用が5GのTelecom分野で進んでいます。5G Core はNetwork機能開発の効率化を目的の1つとして、クラウドネイティブ技術が利用されています。

Telecom分野のCNFについてさらに詳しく知りたい場合は、以下Technical Report詳しく説明されています(ご参考)。

White paper – Why use container and could-native function anyway? Intel [PDF file]

Could-Nativeの特徴とメリット

以下に、5G NetworkにおけるCould-Nativeのメリットを概要レベルで示します。

Fig, Telecom field Cloud-Native Benefits Overview
Fig, Telecom field Cloud-Native Benefits Overview

以下に、5G NetworkにおけるCould-Native Networkの注目するべき特徴を概要レベルで示します。

Fig, Telecom field Cloud-Native
Fig, Telecom field Cloud-Native

CNFを推進している団体、グループ

オープンソース推進団体CNCF(Cloud Native Computing Foundation)LFNetworking (Linux Foundation Networking)が、VNF(Virtual Network Function)から、CNF(Cloud native Network Function)への移行を促進する方針を示しています。CNFは、5Gネットワークにおける中核技術の1つになると期待されています。

Fig, CNCF (Cloud Native Computing Foundation)
Fig, CNCF (Cloud Native Computing Foundation)

CNFC (Cloud Native Computing Foundation) [Website]

Fig, LF Networking (Linux Foundation Networking)
Fig, LF Networking (Linux Foundation Networking)

LFNetworking (Linux Foundation Networking) [Website]

Linux Foundation (LF)は、Open Source Development Labs と Free Standards Group が合併し、2000年に設立された非営利の技術コンソーシアムです。「クローズドなプラットフォームと対抗するための様々なサービスを提供することでLinuxの成長を促進する」を目的に、Linuxの技術開発と業界採用を促進しています。

Fig, Linux Foundation
Fig, Linux Foundation

Linux Foundation [Website]

Linux Foundationの参加で進められているNetworkのOPEN化や、オープンソースプロジェクトに関して詳しくは以下のブログ記事を参照ください。

SBA(Service Based Architecture)の5G Core

5GのCore Networkは、Cloud分野で広く採用されているSBA (Service Based Architecture)が採用されています。4G Core (EPC: Evolved Packet Core)では、装置間はPoint-to-Pointで参照点が個別に規定されていました。

5GC (5G Core)ではCoreの各機能をサービスと捉えられ、各機能(サービス)間のInterfaceをWebベースのInterface(HTTP/Rest)に統一されました。SABはバス型で相互に5G Core機能が接続されたマイクロサービス・アーキテクチャ(Micro-Service Architecture)です。マイクロサービス・アーキテクチャはCloud分野にて使われている技術であり、5Gでそれを採用する事で効率化を実現しています。

5GC (5G Core)ではCloud分野で採用されている、マイクロサービス・アーキテクチャがTelecom分野の3GPP標準に適用されました。5GCに関して詳細は以下のブログ記事をご参照ください。

5G Coreのマイクロサービス・アーキテクチャや、5G Coreの機能に関して以下の資料に詳しくまとめられています(ご参考)。

5G Core Vision – Samsung [PDF file]

まとめ

5GのNetworkは4GのNetworkからどのように変わるのかを、Networkの仮想化、Could-Native化の点で説明しました。

5Gでは、Networkの仮想化が進む事によりNetwork装置(Hardware)とSoftwareが別々に分離して扱われるようになります。更に、5G NetworkのCould-Native化が進む事で、Could分野で既に使われている技術や開発方法、サービスのディプロイ方法がそのまま5GのTelecom分野で使う事ができ、大幅な開発やサービスのディプロイの効率化が進むと考えられています。

RANの分野で進んでいるVRANおよびORANに関して詳しくは以下の記事をご参照下さい。

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