5Gとは何?この記事では5GのNetworkは4GのNetworkとどのように変わるのかを説明します。
4Gや3G Telecom分野のNetworkは、専用装置(Hardware)と、その専用装置上で動作する専用Softwareで構成されていました。4Gや3GのNetworkでは技術仕様が公開されない、独自の技術仕様が装置(Hardware)やSoftwareに多く含まれています。
移動通信の国際標準化団体の3GPP (Third Generation Partnership Project)による5G通信システムの標準化活動以外に、業界団体やオープンソースプロジェクトなどにより技術仕様のオープン化、共通化が進められています。5GのNetworkで利用される様々な技術がオープンソースプロジェクトにより開発され、実用化のための試験が進められています。同時に、オープンソースプロジェクト間の協調や協力も活発に行われています。このNetwork技術のOPEN化は5Gで新たに始まった特徴の1つです。
O-RAN Alliance(Open Radio Access Network Alliance)
業界団体のO-RAN Alliance(Open Radio Access Network Alliance)によってモバイル通信のアクセス網インフラのオープン化が進められています。
O-RAN Alliance(Open Radio Access Network Alliance) [Web site]
下図は、O-RAN alliance reference architectureでO-RAN allianceで扱う技術領域の全体を示しています。O-RAN Allianceでは複数のWorking Group事に、Reference Design、インターフェース仕様が検討、制定されています。
O-RAN Allianceでは複数のWorking Group(下図)に分かれています。各Working Group毎にReference Design、インターフェース仕様が検討、制定されています。
O-RAN allianceの標準化動向に関しては、以下の資料に詳しくまとめられています。
O-RAN Alliance標準化動向, NTT docomo technical journal [PFD file]
O-RAN Allianceでは複数のWorking Group(下図)に分かれています。各Working Group毎にReference Design、インターフェース仕様が検討、制定されています。
2019年3月にC-RAN(Centralized RAN)構成におけるベースバンド処理部と無線部を接続するフロントホールのインターフェース仕様(O-RANフロントホール)がO-RAN Allianceによって2018年4月に公開されました。
O-RAN allianceの標準化動向に関しては、以下の資料に詳しくまとめられています
TIP (Telecom Infra Project)
TIP(Telecom Infra Project)は、Facebookが中心となってTelecomインフラのOPEN化を進めています。TIPでは携帯電話CellularやWi-Fi通信そのものではなく、ンフラの技術と製品開発を推進しています。
TIPは、以下の3つの技術領域でNetworkのOPEN化を進める非営利団体です。
TIP(Telecom Infra Project) [Web Site]
サーバーなどのハードウェアの設計図や仕様のオープンソース化を推進する非営利組織OCP(Open Compute Project)とTIPとのパートナーシップが発表されています。
Open Compute Project (OCP) はFacebookがサーバーなどのハードウェアの設計や技術仕様のオープンソース化を推進する非営利組織として発足したコミュニティです。このコミュニティでは最も効率の良いコンピューティングインフラストラクチャを最も低コストで実現することを目的に活動していまうす。OCP(Open Compute Project)2011年4月に設立しました。
OCP (Open Compute Project) [Website]
ONF (OPEN Networking Foundation)
ONF (OPEN Networking Foundation)は、オープンスタンダード開発によるSDNの促進と採用に特化したネットワーク変革を先導するオペレーター主導のコンソーシアムです。ONFはネットワークオペレーターや他のステークホルダーと緊密に連携し、200のメンバー、パートナーと活動をすすめています。
SD-RAN(Software Defined – Radio Access Network)など、NetworkのOPEN化を主導する複数のプロジェクトが進められています。
OCP (Open Compute Project) [Website]
ONAP (Open Network Automation Platform)
5Gでは、4Gのでは思ったように進まなかったNetworkの運用の自動化がより強力に進められています。Network運用の自動化に貢献する複数のOpen Sourceプロジェクトが進められています。ここでは、その一部を紹介します。
ONAP(Open Network Automation Platform)は、Linux Foundationがホストするオープンソースネットワーキングプロジェクトです。新たなネットワークサービスの迅速な導入と自動化、ライフサイクル管理を可能とする、オープンかつ標準準拠のアーキテクチャ策定を進めるプロジェクトです。また、そのプラットフォーム実装を推進も進めています。ONAPは2017年3月に設立され、50以上のネットワーク・クラウド事業者、サプライヤが参画しています。
ONAPは、Linux Foundationのオープンソースプロジェクトの1つです。ONAPは、OpenECOMPとOpen-Orchestrator(Open-O)を提供し、物理および仮想ネットワーク要素を調整し自動化するためのオープンソースプラットフォームを提供しています。 ONAP は、NFV アーキテクチャで以下の3つの主要機能を提供します。
下図は、ONAPが公開している、ONAPアーキテクチャの概要図となります。ONAPが推進するOpen化の技術を全て含む概要図となります。
ONAP(Open Network Automation Platform) [Website]
OPNFV (Open Platform for NFV)
OPNFV(Open Platform for NFV)は、NFVを実現するソフトウェア環境の実装を目指したオープンソースプロジェクトです。OpenStackやOpenDaylightなど、既存のオープンソースプロジェクトと連携しながら、各種オープンソースの機能拡張とインテグレーションによりNFVを実現しています。
OPNFVは、通信事業者を中心としたNFV(Network Function Virtualization:ネットワーク仮想化)の要件を踏まえ、関連するオープンソースプロジェクトがこれらの要件を満たせるように、コーディネーションや検証を進める活動をしています。
OPNFV(Open Platform for NFV) [Website]
OPNFVは、NFVを実現するソフトウェア環境の実装を目指したオープンソースプロジェクトです。エンドツーエンドのソフトウェアスタックを構築を目的としています。
OPNFVはすべてのコンポーネントを0から開発しているわけではありません。OPNFVは既存のオープンソースプロジェクトを昨日核©表、インテグレーションする役割を持つプロジェクトです。ハードウェアプラットフォーム、OpenStack、OpenDaylight、FD.ioなどの既存のプロジェクトなどの複数のプロジェクトとの協力関係を深めています。
OpenStack
OpenStackはオープンソースのフリー・ソフトウエアであり、計算機、ストレージ、ネットワークリソースを制御することで、Infrastructure-as-a-Service (IaaS) としてこれらのリソースをユーザーに提供しています。2012年9月に設立されたThe OpenStack Foundationによって推進されています。
The OpenStack Foundation [WebPage]
OpenDaylight
OpenDaylightプロジェクトはLinux Foundation傘下の共同オープンソースプロジェクトです。Software Defined Networking(SDN)の利用を加速させ、ネットワーク機能を仮想化するNetwork Functions Virtualization (NFV)を実現する強固な基礎を作る事を目的としています。
OpenDaylight [Website]
FD.io
FD.ioは仮想ネットワーキングで物理ネットワークに匹敵するスループットを得ることを目的としたプロジェクトです。FD.ioは、Cisco SystemsがコントリビューションしたVector Packet Processing (vpp)が元になっており、Cisco、Intel、Ericsson、Huaweiなどがメンバーとして活動しています。
FD.io [Website]
まとめ
5Gでは業界団体などにより、仕様のオープン化、共通化が進められています。5GのNetworkで利用される様々な技術がオープンソースプロジェクトにより開発され、実用化のための試験が進められています。
今後、様々な形で5G NetworkのOPEN化が進められ、マルチベンダー化が進むと考えられます。4Gの時は限られたNetwork装置ベンダーにのみNetwork装置とソフトウエアが提供されていた状況から徐々にマルチベンダー化が進む事が予想されています。
5G Networkの仮想化、Cloud-Native化に関して詳しくは以下のブログ記事をご参照ください。
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