日本の主要各オペレーター(MNO)の5Gサービスが2020年3月にスタートしました。5Gサービスは当初、サービスエリアを限定する形で開始されました。アメリカや韓国の海外と比較して日本の5Gはスタートが遅れました。日本の主要携帯電話オペレーター各社の5Gサービスの料金などを整理します。
無線のみ5GのNSAでの5Gサービス開始
5Gサービス開始当初は、5G NSA(None Stand Alone)といい無線通信を5G(NR)と既存の4G(LTE)を同時に利用しています。また、無線ネットワークを集約するCoreネットワーク部分は5Gではなく既存の4GのEPCをそのまま利用する形でサービスが開始されています。
日本の5Gネットワークは今後何年かかけて、Coreネットワークが5G専用の5GCに置き換わります。無線ネットワークとCoreネットワークどちらも5Gとなりようやく、5G SA(Stand Alone)となります。5GがSAとなった後に、様々な5G独自のネットワーク・スライシングや、エッジ・コンピューティング(MEC)機能が数年をかけ追加されていく事になります。
通信事業の業界団体であるGSMAによる4Gから5Gへのマイグレーションに関する詳しい情報:https://www.gsma.com/futurenetworks/wp-content/uploads/2018/04/Road-to-5G-Introduction-and-Migration_FINAL.pdf
5Gとは?5Gの特徴や4Gとの違いに関しては、以下の記事をご参照下さい。
docomo 5Gサービス
5G開始時期・料金
2020年3月25日より5Gサービス開始。通信データーの上限を月100ギガ、料金は月7650円。この料金は、4G大容量プランから500円上乗せの料金。当面は、キャンペーンにてデーター上限が無制限。
5Gサービスエリア
主要交通施設や観光スポットを中心に29都道府県の150カ所から5Gサービス開始
5Gサービスエリア拡大計画
全国150カ所、基地局数500局から開始。2020年6月末に全都道府県の少なくとも1カ所で利用できるようにする。当初の5Gエリア展開計画を2年前倒し、2021年度末に基地局を2万局以上展開する計画。
au KDDI 5Gサービス
5G開始時期・料金
2020年3月26日より5Gサービス開始。現行の4Gプランに1000円上乗せし、データー通信容量の上限なし「無制限」で月8650円(税別)で提供。
5Gサービスエリア
15都道府県の一部地域から開始
Softbank 5Gサービス
5G開始時期・料金
2020年3月27日より5Gサービス開始。ソフトバンクは2年間のキャンペーンで5Gの大容量プランが月7480円。これは、4Gと同水準の料金。
5Gサービスエリア
ソフトバンクは東京や大阪など7都府県の一部地域からスタート
楽天5Gサービス
楽天は2020年6月に5Gサービスの開始を予定しておりましたが、COVID-19の影響でインドでの試験に遅れが発生し、3ヶ月5Gのサービス開始を延期されました。2020年9月に5Gサービスが開始されました。
アメリカ政府の指定するThe Clean Network
アメリカ政府の「5G Clean Network」の対象企業に、NTTドコモ、KDDI、Softbank、楽天が含まれています。
5Gクリーンネットワークとは、米国が対中政策の一環としてアメリカ政府が発表しました。米国の安全保障を守ることを目的とし、信頼できないベンダー、信頼できない通信事業者から5Gネットワークを保護することを約束したネットワークです。
まとめ
日本の主要大手携帯電話オペレーターが2020年3月に5Gサービスを開始しました。しかし、現時点では5Gサービスエリアは限定されています。開始された5Gは、無線部分のみ5Gを導入したNSA(None Stand Alone)です。
日本の5Gサービスは今後時間をかけて、5Gサービスエリアが拡張されていきます。また、Core Networkも今後5G Coreが導入される計画です。5G独自の機能である、ネットワーク・スライシングや、エッジ・コンピューティング(MEC)などが利用でるようになるには、まだ時間を要します。日本で本来の5Gの機能を利用できるようになるのは、まだまだ先であると考えるべきです。
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