移動体通通信は、全国各地に無線基地局が設置されています。スマートフォンがその無線基地局と無線で接続される事で通信をしています。日本の移動体通信事業者(MNO: Mobile Network Operator)の2022年9月末時点の無線基地局数について整理します。
日本の移動体通信事業者(MNO)は以下の図に示す会社です。移動体通信事業者毎に、それぞれの無線帯域(バンド)および通信方式(5G NR, 4G LTE, 3G)にて、2022年9月末時点で運用中の基地局数を整理します。また、無線基地局数から見た、移動体通信事業者毎の無線ネットワークの特徴を整理します。
基地局数の概要と、各通信キャリアの比較
基地局数の概要と、各通信キャリ(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天)の比較
ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天の各通信事業者(MNO: Mobile Network Operator)の、2022年9月末時点での無線基地局の数を以下のグラフに示します。5G(第5世代通信: 5G NR)、4G(第4世代通信: LTE)、3G(第3世代通信)はそれぞれ携帯電話の世代を示しています。
5Gのサービスは日本では2020年に開始したばかりなので、(2022年3月総務省公開の)2022年9月末時点の情報ではまだ5G基地局の数は少ないです。
下に、グラフと表で各通信事業者の基地局数を示します。
2021年3月末時点の、日本の各オペレーター(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)の基地局数に関しては以下の記事をご参照ください。
基地局数のカウント方法
当ブログ記事の、日本の移動体通信事業者(MNO)の基地局数のカウント方法は以下の通りです。超小型の基地局であるフェムト・セルなどは、基地局数の統計としてカウントはされていません。
一般的な基地局の無線セル・サイズから、当ブログで基地局数のカウント対象となっている基地局を下図に示します。
基地局数の統計情報の参照元
当ブログ記事での、日本の移動体通信事業者(MNO)の基地局数は、総務省が公開している情報を元にしています。総務省が公開する以下の情報を元に、グラフ化しています。
2022年9月末時点の基地局酢情報ですので、それ以降の時期に各移動体通信事業者の5G基地局数はかなり増加しています。
当ブログ記事での、日本の移動体通信事業者(MNO)の基地局数は、総務省が公開している情報を元にしています。総務省が公開する以下の情報を元に、グラフ化しています。
2022年9月末時点の基地局酢情報ですので、それ以降の時期に各移動体通信事業者の5G基地局数はかなり増加しています。
3Gサービスの終了時期(KDDI、ソフトバンク、ドコモ)
3Gのサービスは、KDDIは2022年3月に終了済です。NTTドコモ、ソフトバンクも3Gのサービスが終了する予定です。(下図参照)
3Gのサービスは、2.0GHz帯域と、800MHz/900MHz帯域で運用されています。
[追記]能登半島沖地震(2024年1月1日)の影響により、ソフトバンクは3Gサービスの終了を、2024年4月15日に延期しました。[Softbank press-release, link]
NTTドコモ無線基地局数の分析
NTTドコモの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)
NTTドコモの基地局数を通信方式の世代(5G/4G/3G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報を表に整理しました。(下表参照)
NTTドコモの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)グラフとその特徴
NTTドコモの基地局数を通信方式の世代(5G/4G/3G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報をグラフ化したものを下に示します。(下図参照)
NTTドコモの5G基地局数
5Gの基地局は、28GHz 、4.5GHz、3.7GHzの高い周波数で運用されています。
また、一部4Gの周波数も5G用に転用されています。3.5GHz(バンド42)、700MHz(バンド28)が5G NR用の周波数として転用されています。4Gの周波数では、5Gとして十分な通信速度が出ないので主に5Gエリアの拡大(5Gの人口カバー率拡大)を目的として、4G周波数の5G転用が行われます。
KDDIおよびUQの無線基地局数の分析
KDDIおよびUQの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)
KDDIの基地局数を通信方式の世代(5G/4G/3G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報を表に整理しました。(下表参照)
KDDIおよびUQの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)グラフとその特徴
KDDIの基地局数を通信方式の世代(5G/4G/3G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報をグラフ化したものを下に示します。(下図参照)
2.0GHz帯域(バンド1)は、4G LTE用の基地局の数が約50,000局と数が多く、日本全国をこの帯域で無線通信をする基地局でカバーしています。
800MHz帯域(バンド26/バンド19)も、4G LTE用の基地局の数が約80,000局と数が多く、日本全国をこの帯域でも無線通信をする基地局でカバーしています。周波数特性上、KDDIの800MHz帯域(バンド26/バンド19)は、無線エリアのカバレッジが最も広いです。そのため、KDDIが楽天にローミングで貸し出している帯域はこの帯域の周波数です。
KDDIおよびUQの5G基地局数
一部の4Gの周波数は5G用に転用されています。3.5GHz(バンド42)、1.7GHz(バンド3)、700MHz(バンド28)が5G NR用の周波数として転用されています。4Gの周波数では、5Gとして十分な通信速度が出ないので主に5Gエリアの拡大(5Gの人口カバー率拡大)を目的として、4G周波数の5G転用が行われます。
4Gの周波数帯域の5Gへの転用では、ダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS: Dynamic Spectrum Sharing)も利用されていると思われます。
KDDIからの情報では、2024年3月末までに50,000基地局を超える5G基地局数へと増やしていく予定です。
2.3GHz帯域(n40)の5G基地局は、2027年3月末までに8300局を全国に整備される計画です。
ソフトバンクおよびWCPの無線基地局数の分析
ソフトバンクおよびWCPの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)
ソフトバンクの基地局数を通信方式の世代(5G/4G/3G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報を表に整理したものを示します。(下表参照)
ソフトバンクおよびWCPの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)グラフとその特徴
ソフトバンクの基地局数を通信方式の世代(5G/4G/3G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報をグラフ化したものを下に示します。(下図参照)
2.5GHz帯域(バンド41)は、4G LTE用の基地局の数が約66,000局と数が多く、日本全国をこの帯域で無線通信をする基地局でカバーしています。
2.0GHz帯域(バンド1)は、4G LTE用の基地局の数が約46,000局と数が多く、日本全国をこの帯域で無線通信をする基地局でカバーしています。
900MHz帯域(バンド8)も、4G LTE用の基地局の数が約60,000局と数が多く、日本全国をこの帯域でも無線通信をする基地局でカバーしています。
ソフトバンクおよびWCPの5G基地局数
5Gの基地局は28GHz、3.7GHzの高い周波数で運用されています。
4Gの周波数も5G用に転用されています。3.5GHz(バンド42)、1.5GHz(バンド21)、700MHz(バンド28)が5G NR用の周波数として転用されます。4Gの周波数では、5Gとして十分な通信速度が出ないので主に5Gエリアの拡大(5Gの人口カバー率拡大)を目的として、4G周波数の5G転用が行われます。
1.7GHz(バンド3/9)では、ダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS: Dynamic Spectrum Sharing)という技術に基地局が対応しており、5G NRと4G LTEのサービスが同時に運用されています。
楽天モバイルの無線基地局数の分析
楽天モバイルの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)
楽天モバイルの基地局数を通信方式の世代(5G/4G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報をグラフ化したものを下に示します。(下図参照)
楽天モバイルの基地局数(通信方式世代5G/4G/3Gおよび帯域別)グラフとその特徴
楽天の基地局数を通信方式の世代(5G/4G)別および無線帯域(バンド)別にカウントした情報をグラフ化したものを下に示します。(下図参照)
楽天モバイルの5G基地局数
5Gの基地局は、28GHz(n257)、3.7GHz(n77/n78)の高い周波数で運用されています。2022年9月時点で、5G基地局数11,000局が展開されています。
まとめ
日本の移動体通信事業者(MNO: Mobile Network Operator)の2022年9月末時点の無線基地局数について整理しました。各社それぞれ5Gの基地局の展開方法が若干異なります。
また、無線基地局数から見た、移動体通信事業者毎の無線ネットワークの特徴に関しても整理しました。
移動体通信事業者毎の無線帯域幅に関する詳細は以下の記事をご参照ください。
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